浮気相手から予想される反論とその対策
浮気相手から予想される反論とその対策
内容証明あるいは民事訴訟によって慰謝料請求をした場合、浮気相手から以下のような反論をされることが予想されます。
①不貞行為の事実はない
そもそも不貞行為は行っていないとの反論です。相手方が事実関係を認めない場合には、慰謝料請求をする側で不貞行為の事実を立証しなければなりません。訴訟提起に際しては入念に証拠を集めておくことが必要です。
慰謝料請求には、証拠が必要
浮気・不倫相手への慰謝料請求には、浮気・不倫の事実があったことを突き止める証拠を示しすことが不可欠です。浮気・不倫の事実の証拠になるものは以下のようなものです。
- ・写真:腕を組んで歩いている所や車内で抱擁していた現場など
- ・日記や手帳:浮気・不倫の相手方が異性関係を記した日記や手帳は証拠として決定的な価値があります。
- ・手紙やメモ類:浮気・不倫の相手方の書いた手紙は、証拠として価値があります。異性関係が記されていれば、決定的な証拠になります。
- ・メール:メールは改ざんが簡単にできそうですから、浮気・不倫の相手方からのメールであっても、証拠としての価値は手紙やメモより劣る可能性があります。
- ・携帯電話の記録:配偶者の交際範囲を知っておかなければなりません。その交際の範囲と電話の記録が一致するかどうか。日ごろの観察が必要です。
- ・友人、関係者、探偵社・興信所などの第三者の証言
- ・相手からの手紙や贈り物
- ・相手と宿泊した時のホテルの領収書
- ・不貞行為の裏づけとなるクレジットカードの明細
②配偶者が既婚者であることは知らなかった
配偶者が既婚者であることを黙っていたような場合には、浮気相手は浮気であったとはしらなかったということであるため、浮気相手に家庭を破壊する意思が認められず不法行為が成立しない結果、慰謝料請求が棄却される可能性があります。
携帯電話のメールや手紙などから、既婚者であることを認識しているかのような記載が見つかれば、浮気相手の主張に理由がないことを証明できます。
③慰謝料請求権は時効により消滅している
慰謝料請求権は、不貞行為を認識した日から起算して3年で時効にかかります。しかし内容証明を送付しておけば一旦時効は中断し、それから6ヶ月以内に訴訟を提起すれば消滅時効にはかかりません。時効が迫っている場合には、まずは内容証明を送付して時間を稼ぐことも検討するべきです。
④離婚に際して配偶者から慰謝料が支払済みである
慰謝料請求は配偶者と浮気相手の一方ないし双方に行うことが出来ますが、既にいずれかから支払がなされた部分については、他方に対して請求を行うことは出来ません。
例えば慰謝料として認定されるべき金額が300万円の場合に、離婚に際して配偶者から300万円の慰謝料を受け取っている場合には、更に浮気相手に対して慰謝料請求を行うことは出来ません。
⑤不貞行為があった時点では、既に夫婦関係は破綻していた
長期の別居等により、既に夫婦生活の実態がなくなった後に行われた不貞行為の場合には、そもそも不貞行為によって夫婦関係が破綻したとは言えないため、慰謝料請求が認められない場合があります。
⑥まだ離婚をしていない
離婚成立に至っていない、或いは今後も離婚をする予定はないという場合には、被った損害は軽微であるから金額を減額すべきとの反論です。一般に離婚の予定がない場合には、判決になっても認められる金額は大幅に減額される傾向があります。