公務員の離婚

夫婦の一方が公務員の場合、経験的には以下のような点が問題となることが多いといえます。

 

◯離婚原因について

 通常の夫婦の離婚相談と比べると、ある程度高齢になってから離婚の問題が持ち上がることが多いようです。後述するように、退職金が支給される蓋然性が高い職業という特徴もあって、この支給時期が近づいてくると、この退職金を分配して離婚をし、第二の人生を考えようとする傾向があるためでしょうか。

 

 また、職場の関係者との浮気や不貞が原因で夫婦関係が破綻に瀕する例も複数経験しています。

 

○公務員に特有の財産の調査、評価方法

 公務員の場合、退職金をどのように配分するのかが一番の問題になるでしょう。

 

 具体的に支給される時期が数年以上先であっても、公務員の場合には、その退職金が支給される蓋然性が高い(倒産のリスクがない)ため、一般のサラリーマンの方と比べて、退職金が財産分与の対象となる可能性は高いといえます。

 

 そして、たとえば、退職が5年後に迫っている時期に離婚を協議すると、想定される退職金がある程度大きな金額になるはずです。そのようなケースでは、退職金の受給が予定される側から、他方配偶者に、退職金相当額の分与をどのように行うかは悩むところです。

 

 夫婦共有財産に、退職金以外に大きな資産がある場合、その資産によって調整が可能です。これに対し、そのような資産が無い場合、退職金の精算を退職金支給時点とした上で、その支払いを何らかの方法で担保するか(たとえば自宅に抵当権を設定する、親などに保証人になってもらう)、それが無理な場合には、可能な限り一時金としてその資金を用意してもらい、残金は退職金支給時に精算するといった方法が考えられます。

 

 なお、退職時期が迫っている場合には、協議中に退職金が支給されてしまいますので、他方配偶者の立場からは、仮差押えなどの手続きが必要なケースもあります。

 

 その他、公務員は、共済関係の預貯金を持っている方が多いですので、自宅不動産や保険、共済年金等と合わせて、調査してみる必要があるでしょう。

 

◯財産分与の割合

夫婦の一方が公務員で、他方が専業主婦(主夫)の事案において、夫婦で築いた財産への専業主婦(主夫)の寄与を否定されるケースもあると思いますが、基本的には50:50の割合で精算するのが相当な事案が多いでしょう。

 

◯公務員の場合の解決事例

 当事務所の解決事例に、その一部を載せてありますので、ご参照ください。

 その他、具体的な事案に特有の問題もございますので、まずはお気軽にご相談ください。

 

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