婚姻費用算定表に従って別居中の婚姻費用を請求したところ、夫から、不動産には私が住んでいるのだから、婚姻費用から住宅ローン分は差し引いて支払う、と言われました。
先日、夫が自宅を出て、別居になりました。
私が住んでいる自宅は、夫名義で、住宅ローンも夫が自分の名義で組み、毎月の支払いを行っています。
婚姻費用算定表に従って別居中の婚姻費用を請求したところ、夫から、不動産には私が住んでいるのだから、婚姻費用から住宅ローン分は差し引いて支払う、と言われました。
このような夫の言い分は正しいのでしょうか。
算定表の金額には、住居費が含まれていますので、夫が自分の家賃に加えて住宅ローンを支払うと、夫には過大な負担となります。
一方で、住宅ローンの返済は、名義人の資産形成の面がありますので、算定表の金額から住宅ローン分を全額差し引くというのも、妥当ではありません。
このような場合の婚姻費用の金額の考え方としては、以下などがあります。
1. 算定表の金額から、妻の収入に対応する標準的な住居費を差し引いた金額とする考え方、
2. 算定表の金額から、夫の収入に対応する標準的な住居費を差し引いた金額とする考え方、
3. 算定表の金額から、住宅ローンの一定割合を差し引いた金額とする考え方、
4. 実際の収入から住宅ローン分を差し引いた金額を、算定表上の基準となる収入とするという考え方、
いずれにしても、婚姻費用は、住宅ローン分を差し引いた金額で単純に決まるわけではありません。
お早目に、一度、弁護士にご相談することをお勧め致します。