【面会交流】月1回、面会交流を実施するという内容の調停が成立したが、ほとんど実現できていない

Q質問

 月1回、面会交流を実施するという内容の調停が成立したのですが、相手からは、時間や回数が取り決めよりも制限されたり、色々と理由を付けて面会交流をキャンセルされたりして、取り決めした内容がほとんど実現できていません。このような場合、どうすれば良いでしょうか。

 
A回答

 面会交流の調停が成立しても、調停で合意された義務が履行されず、その内容が実現できない場合、裁判所は、義務者に対して、調停で合意した内容をきちんと履行するように勧告することができます。
 調停をした家庭裁判所に、書面、口答又は電話で履行勧告の申出をすると、家庭裁判所の調査官が事情を調査し、必要と判断すれば、義務者に履行の勧告を行うことになります。履行の勧告の申出をするのに、費用はかかりません。
 
 次に、あらためて面会交流の調停の申立をして、実施方法等について再度調整し、取り決めをする(合意できなければ審判をしてもらう)ことが考えられます。
 
 また、強制執行の方法を取ることも考えられます。この場合、強制的に子供を連れてきて面会交流をさせるということはできませんので、義務者に対して調停で合意した義務を履行することを命令し、これに従わなかった場合には、金銭の支払いを命令するという「間接強制」の方法がとられます。
 もっとも、間接強制をするためには、義務者がなすべき義務の内容が具体的に特定されていなければならず(たとえば、「毎月第2日曜日の○時から○時まで、○○(場所)において、面会交流をさせる」など)、調停条項の内容が抽象的である場合には、履行の勧告の申出をすることはできても、間接強制をすることはできません。
 
 さらに、間接強制をすることができない場合でも、義務者が義務を履行しないことは違法であるとして、不法行為に基づく損害賠償請求をすることが考えられます。
 この場合、損害賠償請求訴訟を提起して、判決等の債務名義を取得すれば、財産差押えといった強制執行が可能となります。

 

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