事例5 不倫相手と再婚したいと主張して、少額の解決金の支払いを条件に離婚を迫ってきた相手方に、高額の解決金を支払わせて離婚を成立させた事案
事案
家族状況
相談者(妻)
相手(夫)
子供:成人
昭和40年代に結婚
相談時の状況
相談者(妻)と、相手方(夫)は、昭和40年代に結婚した夫婦です。夫婦には子供がいましたが、すでに成人していました。
相手方(夫)は、会社勤務で、結婚してしばらくしてから不倫問題を起こしたことがありましたが、相談者(妻)は、その時は子供のことも考えて離婚せず、生活してきました。
しかし、子供達が成人してから間もなく、夫の再度の浮気を疑わせるような事情があったため、これを問い詰めたところ、夫は、妻の性格や家事の態度に問題があると主張して、家を出てしまいました。夫婦は、それ以来別居するようになりました。
別居はしましたが、夫から生活費は支払われていましたので、約3年間別居状態を続けていました。ところが、夫の生活地を妻が確認に行ったところ、職場の同僚と思われる女性と、夫が二人で自宅に入るところを目撃しました。
ショックを受けた妻は、別居中の夫の自宅を訪問したところ、女性用の下着が居宅内に干してあるなど、明らかに別の女性と同居して生活している状況が認められました。
しばらくして夫からは、弁護士を通じて今後は一切連絡を取らないで欲しい、また、すでに夫婦関係は完全に破綻している、これまでの別居中も生活費を十分に払ってきたから、少額の金額を支払うので、離婚に応じて欲しいという申し入れがあり、あわせて離婚調停も申し立てられました。
当初相談者は、弁護士を立てずに調停に出席しましたが、調停委員は、弁護士の付いている相手方夫の言い分通りに、少額の解決金の支払だけで離婚を成立させることを勧めてきました。
そこで、相談者(妻)は、当事務所の弁護士に今後の手続を依頼することを決断しました。
解決に至るまで
相談者から事情を聞くと、離婚自体はやむを得ないが、解決金1000万円の支払いを条件として欲しいという希望がございました。
当事務所の弁護士が調停に出席し、その旨協議しましたが、相手方弁護士は到底応じられないという回答のため、やむなく離婚の訴訟手続に移行することになりました。
離婚の訴訟は、証拠が調停にも増して重要となるため、相談者と協議して、相談者が法令に違反しない方法で、相手方夫が女性と別居中の自宅に入り、また、出て行く姿を数日分撮影してもらい、これを証拠として提出しました。
また、証人尋問で、相手方夫の不誠実さを浮き彫りにする反対尋問を行った結果、相手方代理人弁護士から、尋問終了後、判決前に連絡があり、当方の希望する1000万円全額を払うので、離婚に応じて欲しいということで、離婚を成立させることになりました。
解決のポイント
1 十分な解決金の支払いが無ければ離婚に応じない姿勢を調停から判決直前まで貫いたことで、希望通りの解決金の支払いを受けられた事案です。
2 相談者と証拠方法を協議して効果的にこれを提出し、証人尋問も成功させたことで、相手方はこちらの希望通りの解決に応じざるをえない状況になった事案です。
- 事例31 不貞行為、財産分与、未払い婚姻費用等を理由に、相手方弁護士から約600万円の請求を受けた案件について、請求額を約400万円減少させて解決した事例
- 事例30 不貞行為の慰謝料として高額の請求をされた事案において、支払額を請求額の5分の1に抑えて和解した事例
- 事例29 婚約の成立を証明する直接的な証拠がない案件について、婚約を破棄したことに対する損害賠償として、交渉で100万円を回収した事例
- 事例28 6年以上にわたり離婚問題を抱えていた40代夫婦について、早期に離婚訴訟を提起し、争点を当初から明確化することで、速やかに穏当な内容で離婚を成立させることができた事案
- 事例27 離婚にあたり、夫に900万以上の財産分与の支払いを合意させた事例
- 事例26 妻からの高額な婚姻費用および財産分与請求を減額ないし0円とすることに成功したいわゆるモラハラが問題となった事例
- 事例25 不貞により婚姻中に第三者の子を出産した妻との離婚問題において,慰謝料総額300万円を認めさせるなど納得のいく離婚が実現できた事案
- 事例24 離婚訴訟において、相手方から有責配偶者の主張をされたものの、最終的に離婚を成立させた事例
- 事例23 婚姻生活中に不貞を行った妻が、離婚後、元夫に対し、財産分与を請求し、700万円の支払いを受けた事例
- 事例22 離婚にあたり、不動産持分を移転する代わりに1100万円を支払うよう夫から要求されていた妻が、弁護士介入後、不動産持分に加え、夫から約250万円に相当する財産分与を受け、養育費についても算定表より3万円増額することに成功した事例