事例10 相手方(元夫)からの養育費減額調停及び審判の申立てを排斥することに成功した事例

事案

家族状況

依頼者(元妻):20代

相手方(元夫):20代

子供     :未成年 1人

依頼者と相手方は、平成24年に既に調停離婚しており、未成年の子供の親権者は依頼者が取得していました。

 

相談時の状況

依頼者と相手方は、調停離婚する際、未成年の子の養育費について具体的な金額を約していました(調停調書に明記されています)。

しかし、離婚後数ヵ月が経過すると、相手方から養育費の支払いが滞り始めた上、さらに、相手方から、離婚調停の際、双方が納得の上で同意した養育費の金額を減額するよう求める調停が家庭裁判所に申し立てられました。

 

相手方の主張は、調停において取決めした養育費の金額から2万円の減額を要求するものでした。

当事務所の弁護士が養育費減額調停の対応についての依頼を受け、相手方の主張は認められるべきではないこと、相手方の申立ては速やかに却下されるべきことなどを主張しました。

 

なお、相手方との調停による話合いは困難となり、手続が調停から審判へ移行されました。

審判手続においても、当事務所の弁護士により、具体的な証拠に基づいた法的主張を展開しました。

 

解決に至るまで

相手方は、養育費の減額を求める理由として、

①依頼者との離婚後、自身が再婚し、再婚相手との間で新たな子供が出生したこと
②収入が減少したこと

 

などにより、養育費の支払いが困難であることを主張してきました。

 

これに対し、①については、依頼者との調停離婚の際、すでに離婚後新たな子が出生するのは明白な事実(調停離婚の際に、相手方再婚相手が妊娠していた)であり、また、②についても、離婚前から予測することが十分可能な事情であることなどから、相手方の主張は、法律が定める養育費の減額を認める「事情の変更」には当たらないと反論し、かかる反論を裏付ける証拠・資料を提出しました。

 

しかし、家庭裁判所は、最終的に養育費を1万円減額するとの審判を下しました。
この審判をうけて、当方は、この家庭裁判所の審判は、法律の解釈を誤った違法・不当なものであると主張し、依頼者と協議の上、東京高等裁判所へ即時抗告をすることにしました。

 

審理において、家庭裁判所の判断が誤っていること、相手方の主張には理由がないこと等の主張を行った結果、当方の即時抗告が認められ、家庭裁判所の審判が取り消され、東京高等裁判所は当方の主張を認める決定を下しました。

 

すなわち、上記相手方の主張①及び②は、法律上の「事情の変更」には該当しないとするもので、こちらの主張が全面的にいれられた内容であり、相手方の養育費減額の申立てを「却下」するものでした。

 

この結果、調停離婚の際取り決めた養育費の額を維持することができました。

 

解決のポイント

*家庭裁判所の判断は、養育費の減額を一部認めるものだったが、これを不服として東京高等裁判所で粘り強く主張したことにより、当方の主張を容れた内容の判断がなされた事例。

 

*離婚後、一人でお子さんを育てていくことになった依頼者にとって、「養育費」はとても重要なものでした。当事務所の弁護士は、その点を重視し、粘り強く主張を続けたことにより、依頼者の主張をいれた決定を獲得することに成功した事例。

 

*依頼者の希望をきちんと聞き取り、緻密な打合せを行うことにより相手方の要求を斥けることが出来た事例。

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