事例20 妻に不貞をされた夫側の離婚請求事件で、不貞相手の男性から慰謝料を獲得し、かつ、妻からの財産分与請求を0円とすることに成功した事案

事案

【家族状況】

依頼者(夫):50代男性会社員(以下「依頼者」とします。)
相手方(妻):50代女性パート勤務(以下「相手方」とします。)
子供     :3人(すでに独立)

 

【夫婦の主な財産】

 ・自宅の土地及び建物(ただし、住宅ローンを依頼者が負担している。残ローン約2000万円であり、いわゆるオーバーローン。)
・夫婦それぞれの名義の現預金
・依頼者の退職金
 ・各種生命保険 など 

 

相談時の状況

 依頼者と相手方は約30年前に婚姻した夫婦で、依頼者は勤務先会社の仕事の都合により長年海外で単身赴任生活をしていました。長い単身赴任でしたが婚姻関係は基本的には良好で、子供3人にも恵まれました。

 

しかし、ある時期から相手方が不倫をしていると思われる出来事が起こり始めました

 

また、依頼者が相手方の上記不倫を疑い始めたとほぼ同時期に、相手方のお金の使い方(いわゆる浪費)が夫婦間で問題となってきました。 

 

そこで、依頼者としては、妻との将来に疑問を抱くようになり、最終的に、依頼者が離婚を切り出し、自身で離婚調停を家庭裁判所に申し立てました。 

この調停の間、依頼者の調査により相手方の不倫も決定的となりました。 

 

以上のような経緯を経て、依頼者は、妻との離婚を実現すべく当事務所にご相談に来られました。

 

解決に至るまで

まず、当事務所が離婚事件として事件の依頼を受けてから、担当弁護士が訴状を作成し、速やかに管轄家庭裁判所に離婚訴訟を提起しました。訴状では、主として ①相手方との離婚 ②慰謝料(離婚原因の慰謝料及び離婚自体の慰謝料)相当額を請求しました。

 

なお、相手方の不貞相手も同時に被告として訴え(慰謝料の請求)を提起しました(このように不貞行為が原因となる離婚裁判では、不貞相手も同時に訴え慰謝料を請求していくことが可能です。)。

 

これに対し、相手方は、①離婚については認めるものの、②慰謝料について争う姿勢を見せ、反対に依頼者に対し③離婚に伴う財産分与約600万円を請求してきました。


訴訟での主要な争点は、

①慰謝料との関係 ・不貞行為の期間 ・夫婦の婚姻破綻の有無

 

②財産分与との関係 ・財産分与の額 ・夫婦経済協力関係の終了の時期 


であり、これらの点について、裁判では、当事務所担当弁護士が、法的知識及び経験をもとに、依頼者のための法的主張と立証を尽くしていきました。


訴訟の中で、裁判所から幾度か、依頼者に有利な内容での和解の提案がなされましたが、相手方が応じようとせず、この事案は、証人尋問手続まで実施することになりました。
 


証人尋問手続は、実際に依頼者など本人が裁判所の法廷に出廷し、代理人弁護士や裁判所から事件(事実関係)について直接質問を受け、それに回答していくという証拠調べ手続の一つです(テレビドラマなどでイメージされる方が多いと思います。ご本人の回答が証拠となっていきます)。


※証人尋問は、論理的思考力及び経験が必要とされ弁護士としての腕の見せ所の一つです。
 


事実、証人尋問後、裁判所から当事者双方に和解の提案がなされましたが、この内容は、当方に有利なものでした。そして、双方が協議の上、概要以下のとおりの内容で和解が成立し、事件は終了しました。


   ○依頼者と相手方とを離婚する
 

 

○相手方不貞相手から依頼者に対し慰謝料50万円を支払う

 

○相手方の財産分与は0円とする(依頼者は訴訟中に退職し、相当程度の退職金を取得しましたが、この退職金についても分与する額は0円となりました。) 


上記和解の内容は依頼者にとって有利な内容であり、実質勝訴判決を獲得したものと同価値でした。依頼者自身も十分に納得し、最終的に和解をすることになりました。これはこれまでの当事務所担当弁護士による主張・立証で、裁判所を説得することに成功し、当方の主張を概ね認めさせることができた証左です。
 

 

解決のポイント

・離婚事件(交渉、調停及び訴訟も含む)についての多くの経験を有する弁護士に依頼することで、有利な内容での解決を図ることができた点


・離婚事件において妻側から財産分与を請求された場合、夫側は、一定額を支払うことになるのが多いところ、本件の事実関係のもとでは、適切な法的主張や立証を尽くすことによって、財産分与の請求を排斥し、その額を0円とすることができた点

 

  

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