財産分与の財産対象はいつ評価されるか

財産分与の財産対象はいつ評価されるか

 
 財産分与の対象となる財産は、いつの時点で、どのような方法で評価されるのでしょうか。
 現金や債権であればその価値が明らかなことが多いのですが、不動産などは、きちんと価値を評価しないとトラブルの原因になります。

 不動産の評価方法については、法律上の定めはありませんので、客観的・合理的に相当と認められる方法であればよいとされています。
 財産の基準時については、過去の裁判例において、判断が分かれています。

 実際の司法の判断として、裁判時説、離婚時説、別居時説等が判決の論拠として用いられました。以下、いくつかの財産について評価方法を書いておきます。 

 まず、土地や家に関してですが、基本的には、近隣の物件の売り出し価格を参考にしたり、不動産鑑定士に依頼を出したりします(ただし、鑑定士の評価には高額な費用がかかるため、路線価や固定資産評価額を一つの基準として解決することも多くあります)。住宅ローンが残っている場合には、不動産評価価格から未払いのローンの金額を差し引き、残余を財産の価値とする方法や、返済済みのローンの元金充当分を財産の価値とする方法があります。
 なお、ローンの残額が多すぎて、不動産の評価を上回る場合、財産分与の対象とされない場合もあります。

 その他の自動車や家具などの財産は、可能な限り中古品の相場と照らし合わせてその価値を評価します。実際の協議では、細かいところは、双方の言い分を合わせて、交渉で決まることが多いです。売却できたとしても相応の金額になりにくい財産は、市場価格で評価するよりも、現物で分与することが推奨されています。

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